「やだわあ。この頃お腹が出てきたみたいなのよ」
「わ、食べ過ぎ？ わたしもよ。無性に食べたくなるのよねー」
「うんうん。夕方あたりに小腹空いちゃって、ついつまみぐい。いけないとわかっていても、おさえられないのよね」
「わかるわかる。だってほら、わたしたちってちょうど伸び盛りだし、少しぐらい多めに食べておいたほうがいいって、お母さんも言っていたよ」
「そうよねえ。そういえば、タマミは、アレまだなの？」
「うーん、まだみたい。ほら見て。まだ、ツルツルでしょ」
「あ、本当だ。わたしもよ。まだ、ツルツル。早い子は、もう、生えてきたっていう人もいるみたいだけど」
「うんうん。３組のミソラちゃんなんて、もう生えてきたらしいよ」
「ああ、見たことあるかも。その子って、背中にピンク色のまだら模様が入っている子でしょ？」
「そうそう。あの子ったら、もう、彼氏もいるらしいよ」
「ええ、うらやましい」
「でね、彼氏も、もう立派なものが生えていて、お似合いのカップルだって、みんなのうわさになっているよ」
「へえ、いいなあ。わたしも早く彼氏見つけたいなあ」
「ふふ、無理無理！タマエは彼氏作る前に、早く足を生やさないとね」
「やっだあ。タマミより絶対早く生やしてやるからねー」

　真っ黒な体をした、お年頃の２匹のおたまじゃくしのおしゃべりは尽きないようで……