バード・ケージを読みました。
１億円使うってのは大人でも大変ですねえ。
私も主人公の条件で試算してみましたが、１年で6000万円使えばいいところでした。
家を買うならすぐに使えちゃうのにねえ。ようするに日本の土地は高いってことを、清水先生は暗に指摘したかったのではないでしょうか？
この本を読んで思い出した清水作品があります。黄金の空隙です。1988年の作品です。そのあとがきには、大金を獲得してそれを使う話を書くようにと、半村先生から勧められたと書いてありました。その作品では結局書くことができなかったわけですが、十数年を経てようやくバード・ケージという作品で半村先生の宿題を果たしたわけですね。
3年後に出るであろう文庫版のあとがきにはそういう経緯が書かれることでしょう。
ま、勝手な想像ですが、作品の系譜を紐解きながら読むのも愉しいではありませんか。